ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは?
コンポジットレジンと呼ばれるプラスチックとセラミックの複合材料を直接詰める治療です。歯と同じ白い材料なので見た目が自然に仕上がるのが特徴です。
一般的な削って型取りする治療(メタルインレー、セラミックインレーなど)では虫歯の部分以外に健康な部分を削らなくてはなりません。
一方、ダイレクトボンディングで削るのは虫歯になっている部分のみなので、歯の健康な部分を削る量が少なくて済みます。
結果的に健康な部分を多く残すことができるため、歯の寿命をのばすことに繋がります。
一般的な治療手順
・麻酔
針を刺入する際の痛みを軽減する表面麻酔、麻酔薬の温度管理、使用する針の太さの工夫、電動麻酔器の使用など、痛みに配慮した麻酔を行います。
・ラバーダム防湿
ラバーダムを適切に行うことにより、治療する歯を口の中の湿った環境から隔離することができます。湿度のコントロールはのちに行う接着処置の際に極めて重要です。
・う窩の開拡、感染部分の除去
エックス線写真検査やマイクロスコープによる観察を行い、最終的な形をイメージした上で歯を削りはじめます。虫歯部分へアプローチするために歯を削る工程をう窩の開拡といいます。前歯なら表側から、裏側から、横からなど、最適なアプローチの仕方はそれぞれの歯の状態によって異なります。内部の虫歯部分へアプローチできるようになったら、滅菌された切れ味の鋭い切削器具を用いて効率よく過不足なく感染部分を取り除きます。その際にはう蝕検知液(感染し粗造になっている部分を染め出す液体)を併用しつつ、マイクロスコープや高倍率の拡大鏡を用いることで虫歯の取り残しがないように注意しています。歯の状態や症状の有無によってどこまで削るのが最適かは異なり、知識と臨床経験が必要とされるところです。
・窩洞の整理、清掃
感染部分を削り終わったあとの状態を窩洞といいます。接着工程に移る前に目の細かいバーで窩洞全体を滑らかに整えることで術後の仕上がりや予後が良好になります。また、プラーク染色液を用いて窩洞周囲のプラークを可視化し、専用の器具によって徹底的に除去します。
・接着、充填
先に述べたラバーダム防湿を行い理想的な接着環境を整えた上で接着工程に入ります。同じ接着材料を用いた場合でもドクターの使用法によって結果に差が出ることがわかっており、単純に良い材料を用いればよいというわけではありません。接着工程には「塗布」「乾燥」「光照射」がありますが、塗布範囲、塗布時間、エアーブローの強さ、時間、光照射器の出力調整、場面に応じた照射時間の確保など、接着性能を最大限発揮させるべく使用法にこだわっています。
接着工程を経てはじめて歯に材料を詰める(充填)ことができます。ここでは「填塞」「賦形」「光照射」という工程がありますが、国内外問わず無数に存在する材料の中から十分な強度を発揮しつつ表面性状が劣化しにくいものを厳選し、適材適所で使用します。充填材料に光を照射すると、硬化すると同時に収縮します(重合収縮)。重合収縮に伴い発生する力は歯への負担につながるので、歯に極力ダメージを与えないように意識する必要があります。一回あたりの充填量をコントロールする、充填する順番に配慮する、光照射の方向を考慮する、などの工夫をすることにより歯への負担軽減をはかっています。もちろん、機能的にも審美的にも自然感のある仕上がりを目指して処置を行います。
・ラバーダム撤去、咬合調整、研磨
充填に不足がないか確認し、問題なければ形態修正を行います。ラバーダム撤去後、最終的なかみ合わせのチェックと表面の研磨をおこない処置終了となります。
・最終調整、研磨
コンポジットレジンは光照射後も硬化反応が持続しているため、日を改めて仕上がりをチェックしたうえで最終的な表面研磨を行ったほうが良いとされています。次回来院時に必要あれば修正をおこない、最終研磨を行います。
当院で使用している材料
世界的に信頼性の高い材料のみを厳選して使用しています。
色のバリエーションが豊富で長期的に耐久性に優れた材料を用いています。
ダイレクトボンディングをご希望の方は院長が拝見いたします。ご予約の際にダイレクトボンディング希望とお伝えください。
使用する材料、技術、充填する範囲により価格が異なります。価格表をご覧いただきご不明点はお気軽にご相談ください。